毛猛山塊南部?(銀山平) 日向倉山(1430.7m) 2011年5月6日
所要時間 5:07 橋−−5:11 尾根取付−−6:03 稜線−−7:30 日向倉山 7:56−−8:36 稜線を外れる−−8:47 尾根取付−−8:51 橋
概要
赤崩山と同じく奥只見シルバーラインの銀山平出口西側より南尾根を登り、東西の主稜線上を往復。残雪たっぷりで藪漕ぎ皆無だが前日の疲れでグロッキー気味。昨日の足跡が残っており、山頂から北方及び東方向にも足跡があった。それどころか西から登ってきた人までいて意外に登られる山らしい。展望良好
1泊2日の利根水源山脈山行から下山し、まだ休みが3日あった。最終日は体を休めるため完全休養日とすることに決めていたが残り2日は山に使える。体力的なことを考えれば本格的な山に入るのは無理で、軽い日帰りの山が適当だ。できれば残雪が使える山がいい。この条件を満たす山を見つけるのはなかなか難しかったが、先日登った銀山平の赤崩山の東方にある日向倉山が適当と判断した。赤崩山と同一ルートで稜線に上がり、反対方向の東に進めば山頂に達する。本来ならば山頂から南西に延びる尾根を登れれば最短コースなのだが、この尾根の末端にたどり着くには北ノ又川左岸をしばし歩かなくてはならないが、岸が切り立って結構な高巻きをしないと進めない箇所があるので体力的なメリットが無い。
駐車場所は前回同様橋の北詰。積雪量は前回と変わった感じはしなかった。ここから見える尾根上の残雪も減った感じはしないし、主稜線までずっと続いている。今回は朝から好天で楽しい山行になりそうだ。念のためワカンとアイゼン、ピッケルを持って出発。
数日前と同じ雪原を行く | 尾根末端。今日も足跡があった |
尾根を登る | 中ノ岳 |
クラストして最高の雪質! | もうすぐ主稜線 |
尾根末端に到着すると、前回のように昨日付けられた先人の足跡があった。もちろん前回とは別人だろう。早朝で締まった雪だが表面はよくクラストして登山靴でも摩擦が効いてアイゼンの出番はなく快調に高度を上げる。まあ、体のほうは昨日の疲労が残って足が重めだが。振り返ると越後駒から荒沢岳が朝日に染まっていた。前回は雲の中で見えなかった風景だ。
1140m肩から見た西方向 | 1140m肩から見た東方向 |
1140m肩から見た西方向荒沢岳〜越後駒 | |
尾根上には目印が点在する | なだらかな稜線が続く |
眼下には銀山平 | なぜか洗濯バサミの落し物 |
東西に伸びる主稜線に到着、先人の足跡は前回同様東へ向かっている。雪が緩んだ時間帯に歩いたようで少し潜っているが今は締まって全く沈まない。でも帰りの時間には緩んでくるかな。ここから山頂まで西向きの尾根が続くので東向きの尾根よりも雪の緩みは遅いだろう。しばらくは特徴に乏しい広くなだらかな尾根が続き、階段状にうねった雪庇ピークを巻いたり越えたりする。途中、雪の上に洗濯バサミが落ちていたが、こんなものを使うのは毛猛山方面へと長期縦走したパーティーのものだろうか。ちょうど進行方向に太陽が出ており写真撮影しにくいのには困った。この尾根上には赤布等の目印が点在していた。
足跡が続く | 尾根上は灌木藪 |
毛猛山周辺(クリックで拡大) | |
権現堂山周辺(クリックで拡大) | |
うねった雪庇が続く | まもなく山頂 |
山頂が近づくとやっと本格的な登りが始まるが、ここが雪庇のうねりが一段と激しい区間だった。アップダウンが少なくなるよう稜線北側にずれて登っていく。左を見ると樹林が切れた部分からは権現堂山付近と毛猛山付近と2塊の山並みが見えていた。毛猛は今日も誰か登っているかな。なお、翌日に前毛猛山に登ろうと大白川へと向かったが、今年はまだ除雪中で集落終点で施錠された車止めがかかっていた。まあ、裏技で強引に通過できないことはないのだが・・・・。ここから歩くと取り付まで1時間くらいかかるだろうか。
日向倉山山頂。背景は荒沢岳 | 日向倉山から見た奥只見湖 |
日向倉山から見た東ノ城〜荒沢岳 | |
日向倉山から見た北方(クリックで拡大) | |
日向倉山から見た東〜南側(クリックで拡大) |
登り切って広い稜線に出ると細く低い潅木が西側にだけある、だだっ広い日向倉山山頂に到着した。一面の残雪で三角点は見つけられるはずもなく、現在は雪の上が最高地点だ。南北に長い山頂なので南側の銀山平が見えないが、南に歩いて肩というか雪庇の端に立つと眼下に見下ろすことができた。対岸は東ノ城から荒沢岳にかけての険しい稜線。よくもまあDJFはあんな谷を下ってきたものだと思えるような雪崩の危険個所の巣だらけだ。安全に登れそうな尾根は西ノ城に続く尾根くらいではなかろうか。少なくとも谷筋を行くのは早朝の雪が締まった時間帯でないとマズかろう。
下山開始 | すれ違ったスコップを持った男性 |
周囲の展望を充分堪能し、休憩を終えて下山を開始した。途中、片手にピッケル、片手にスコップに50リットル程度のザックを背負った男性が登ってきた。スコップを持っているということは雪洞を掘ってのお泊りだろうか。いろいろ聞いてみたかったが挨拶しても返事が無かったので深追いしなかった。どうも単独男性は無口な人が多い。ちなみに私は山の中で話しかけられれば長時間立ち話してしまう方だ。相手にとってはいい迷惑かも?
西へと進む | 最低鞍部手前 |
最低鞍部から雪に埋もれた谷に入る | 写真では分からないが結構な傾斜 |
振り返る。登るには酷な傾斜 | さらに谷を下る |
末端が見えてきた | 谷末端から振り返る |
男性のアイゼン跡と逆行して尾根を西に進み、下山は1140m肩には上がらず1110m鞍部から南の谷にエントリーすることにした。この方が登り返しが無くて大幅に楽ができるのだ。谷の傾斜はそれなりにきついので登るのは面倒だが、下りともなればその傾斜が有効に働いて滑り降りることが可能だ。特に日中で適度に雪が緩んでいれば滑りも快調になる。クラストしていたらそんな芸当は不可能だ。案の定、谷はワカンを履いたままでも滑るのにちょうどよく、1歩で何mも進めて尾根を下るよりずっと楽だった。下部は小規模な雪崩の跡もあって、あまりのんきに歩いていられないが大規模な雪崩はなさそうだった。
楽しい滑りはすぐに終わって尾根取り付きに到着、雪原を歩いて車に戻った。